アメジストの名前の由来は諸説あり、それぞれの説が混同してしまい書かれている内容やニュアンスが若干違っていることもありますが、最も一般的とされているのはローマ神話が由来の説です。
ローマ神話に登場するバッカスという酒(ワイン)の神が、女神ディアナに求愛したものの振られてしまい、それに逆恨みして家来の虎に「今から道を通る人を襲いなさい」と命令しました。そこに偶然通ったのが、ディアナ神の神殿に礼拝に行こうとしていた美しい少女アメシスト(amethyst)でした。
アメシストはバッカスに従った虎に襲われそうになったのですが、ディアナ神に忠誠を誓っていたこともあり、ディアナ神の御加護により真っ白な石(クリスタル)に変わり難を逃れました。
その真っ白な石が水晶とされていて、美しい姿(クリスタル)を見て反省したバッカスが持っていたブドウ酒(ワイン)を献酒として注いだところ、綺麗な紫色に染まったとされています。
これがアメジストの語源となっている神話です。
また、アメジストの語源は「amethystos」でギリシャ語で「酒に酔わない」を意味する言葉です。この語源や酒神バッカスの神話にちなんで「酔わない石」とされていますが、これは「お酒に酔わない」ということだけではなく、「冷静さを取り戻す」「自分を見失わない」というニュアンスで酔わないという表現が使われていたとされています。