薬として使われたアメジスト
3世紀頃、世界で初めての医学書と言われており、漢方薬など中国の伝統医学について書かれている「神農本草経」という本の中でアメジストについて書かれていますが、アメジスト(紫石英)は
「長く続けて服むと十年子なき婦女が孕む」
と記されています。
これは簡単に訳せば、
アメジストを粉末にして服用し続ければ不妊治療に効果がある
という趣旨で書かれており、当時、中国人の幸福観では子孫繁栄が最も重要な項目の一つとされており、その解決方法にアメジストが使われていたということで、当時から価値が高く重宝されていたことがわかります。
また、アメジストは体を温めるものとして捉えられており、それは同じ石英系の石である水晶よりも体を温める効果が高いとされていたようです。
アメジストが美しい紫を発色しているのは、微量の鉄(Fe)を含んでいることによるものですが、その鉄分が代謝作用を高めたのでしょう。
現代でも女性、特に妊婦の方は体を冷やさないことが大切ですが、アメジストの体を温めるという効果が、不妊治療に効果があるとされていたのかもしれません。
今でこそ、アメジストを使った治療は行われておりませんが、こういった言い伝えにちなんで、妊娠・安産のお守りとしてもおすすめです。
そして、アメジストには「癒し」の効果があると言われていますが、この癒しというのも体を温めることが起源になっているのかもしれません。
燃え上がった気持ちを落ち着かせる
アメジストには燃え上がった気持ちを落ち着かせる鎮静効果があるとされており、かつては十字軍の兵士が戦いのお守りとして持っていたようです。
戦場では燃え上がった気持ちを抑え、冷静に判断する必要があり、その役割としてアメジストが使われていました。
また、恋愛面においても燃え上がった恋の気持ちを落ち着かせるとされており、心を落ち着かせてお互いのことを思いやることで二人の関係が良好になると言われています。
このような言い伝えから、ヨーロッパでは新婚夫婦に夫婦円満を祈念してアメジストをプレゼントする習慣があるようです。
アメジストのペンダントやネックレスなどのジュエリーは落ち着きがあり上品ですが、ダイヤモンドやルビーなどの宝石よりも安価ですので、友人間の大人プレゼントとして最適です。